この3ヶ月、私は日本人にとっての最難関だと思われるネイティブスピードの英語のリスニング攻略のため、有料シャドーイングアプリ「シャドテン」を利用してリスニングの訓練をしてきました。
前回の記事では洋画を成果として洋画を見た結果を報告しました。
さぁ、前回報告から約2ヶ月。どれほど変わったのでしょうか!
結果として洋画として理解できている部分は4割と言ったところです。
前回よりは聴こえるようになりましたが、まだまだ十分な理解とは言い難いのが現状です。
そして、3ヶ月が経過したタイミングで私は有料シャドーイングの契約を解除しました。
誤解のないように弁解しますが、有料シャドーイングの3ヶ月は非常に有意義なもので、アプリを作ってくれているプログリットには感謝しかありません。
本記事では有料シャドーイングを3ヶ月実践した結果と契約解除した理由を記載しました。
シャドーイングをしている方やアプリ契約の検討をしている方はぜひ見て見てくださいね。
これまでの記事をご覧になっていない方は、ぜひこちらから見てください。
まずは契約をしていて良かった点です。
【good①】聞こえた英語を真似するのが上手になった
シャドテンでは課題の英文(約30秒程度)を毎日シャドーイングします。毎日1〜3個の改善点の指摘があり、改善点が0個になった段階で課題は終了です。0個にならない場合でも4日目が終わった段階で次の課題に移ります。
こういう練習を毎日続けていると、どんどん聞こえた英語を高い再現性で真似する技術が身についてきます。シャドーイングを始めた頃は3日目くらいで「音声に似せて発音できるようになってきたな」と感じていましたが、3ヶ月目には1日目で同じレベルで発音できるようになりました。
YouTuberのタロサックさんの動画に出てきた非英語ネイティブの人も言っていましたが、言語習得において高い精度で真似することができるというのは大事なことです。
その意味で毎日シャドーイングすることは有意義だと感じました。
【good②】英語特有の音の変化が頭に染みつく
英語には日本語にはない音の変化がいくつかあります。例えば「in a bus」を「インナバス」と発音するような変化です。これらは無限にあるわけではなくて大別するといくつかのルールにまとめることができます。
英語習得を目指している人は、当然このことを知っているしょう。しかし、問題は「『知ってる』と、『できる』には大きな隔たりがある」ということです。そして英語の格言には「話せることは聞ける」というものがあります。つまり、自分が音の変化を駆使して話せるということが重要です。このことからシャドーイングで正確に再現できるなら「できる」と言っても良いのだと思います。
音の変化のルールを知っていても適切に訓練されていないと「できる」ようにはなりません。そして、この音の変化の習得で難しい部分は自分で練習していても本当に正しくできているか判断ができないところです。
この点、シャドテンはありがたい存在です。
自分の提出した音声が音の変化を捉えていないと容赦なく指摘してくれます。指摘に対して「わかってたのに!」と思うこともありますが、自分が提出した音声を聞き直してみると確かにできていません。このように「知ってる」を「できる」にレベルアップさせてくれるのは、フィードバックがあるからこそです。
そして、毎日音声を提出することで何度も何度も同じルールに出会います。そして苦手なルールは何度も指摘を受けます。このようにしてルールを体得していくことができます。
続けていくと指摘に先回りして音の変化を見つけて発音までできる箇所が増えていきます。これはフィードバックなしには到達できないレベルです。
その意味で一度有料シャドーイングを受講するのは良い選択肢だと思います。
【good③】毎日本気で英語に触れる習慣ができる
先ほども書いたとおり、シャドテンでは4日間かけて1つの教材を仕上げていきます。しかし、改善点がなくなった段階で次の教材に進むことができます。
私は非常に単純な人間です。2日目や3日目で改善点がなくなると、それだけでとても嬉しい気分になれます。そして、それを目指して頑張ります。私のような人間の場合、シャドテンに本気で取り組めると思います。
改善点ができるだけでないように、過去の指摘を思い出して、ルールを意識しているのに「できていない」という指摘が出ないように細心の注意を払います。そして、指摘を受けます(笑)というのは冗談で、このように過去の間違いを意識して取り組むことで大きく成長することができたように思います。
【good④】お金がかかっているのでサボる選択肢がない
シャドテンは1ヶ月で2万円超もする高額教材です。似たような内容の書籍である「英語リスニングのお医者さん」なら2,000円以下で購入することができます。
しかし、高額であることで絶対にサボれないという感情が湧いてきます(私だけではないはずです。きっと)。
そして、同時に何かを会得しようという気にもなります。
私は株式投資をしている経験から「人は新たな利益を追いかける感情よりも、損を取り戻したい感情の方が強い」ことを知っています。シャドテンにお金を支払っているのは損をしているわけではありませんが、「習得するまで終われない。習得するのが遅れたら毎月無駄に2万円かかる」と思えば熱心に取り組む人も多いのではないでしょうか。
【契約解除の理由①】添削内容が重複してきて新たな発見が大幅に減った
シャドテンを始めた頃は全ての添削内容が新鮮で一生懸命に取り組んでいたのですが3ヶ月目にもなると、指摘の内容が以前に見たことあるものばかりになってきました。
そして、こうなってくると、自分でも指摘が予想できるようになってくるので「やっぱりそこを言われるかぁ」という具合になってきました。
シャドテンは毎月2万円超もする高級教材。同じお金があれば他の通信教材や講座を受講することもできます。
自分が苦手とする音の変化に関する指摘が蓄積し、自分でも気付けるようになったとき、シャドテンは卒業すべきだと感じました。
【契約解除の理由②】一日一添削は少なすぎた
先にも書いたとおり、シャドテンは1日に1回の添削制限があります。なので、どんなにやる気があっても1日に3教材を同時に進めることはできません。もしかしたら、1回の添削に集中して欲しいという意図や契約を1ヶ月でも引き延ばしたいという意図があるのかもしれません。意図はどうあれ集中的に学びたかった私には少し不満が残りました。
【契約解除の理由③】添削の時間がまちまちだったので、提出したいタイミングに提出できなかった
音声を提出してから添削されるまでの時間は日によってまちまちです。シャドテンの公式はQ&Aの中で「24h以内に毎日必ず添削いたします。」と回答しています。実際に受講してみると21時ごろに音声を提出した場合に、23時ごろに添削が返ってくる場合と翌日の夕方ごろに帰ってくる場合があります。
このことで困るのは例えば翌朝に時間があって音声提出をしたい場合にも、前日の添削がきていないので新しい改善点を改善できないことです。せめて「21時までに提出いただけたら朝10時までに添削します」のようなことが書いてあれば予定も立てやすいのですが。。。
【契約解除の理由④】発音矯正をしてくれない
シャドテンでは基本的に毎回違う講師の方が添削をしてくれます。それだけ講師が多いのです。その方々が各課題のポイントが書かれた講師用の教材を見て上手くできていない部分を添削してくれています。なので、講師は講師用の教材を見て指摘できる人であれば問題ないということになります。
特定の人に頼らなくても運営できる素晴らしい事業だと思います。その一方で、それ以上のことは決して指摘してくれません。つまりは指導の難易度が高い発音矯正などには対応していないということです。
英語の発音ルールに特化しているのがシャドテンのシャドーイングです。
よって、ルールが学べたら、もうそれ以上は続ける必要がなくなります。その先は自分で見つけた教材などで自分でシャドーイングをするか、発音を重視した教材にシフトしていくことになります。
【契約解除の理由⑤】新しい文章に触れる時間が短く、新しい英語を聞きとる英語脳の回路が発達しない
仮に150WPM(word per minute)の30秒の課題に取り組んだとすると、その課題のワード数はわずか75語です。これを4日間続けるます。このことは教材の性質上、当然であり、量は別の教材で補うべきものです。
ただ、ここで強調したいのはシャドテンは音の変化を学ぶことに特化した教材で、触れる英語の量は微々たるものなので、シャドテンで長期間学んだからネイティブ英語を聞けるようになるというものではありません。
シャドテンは素晴らしいシャドーイング教材だが、卒業のタイミングがある
改めてシャドテンは良く練られた素晴らしい教材でした。その一方で、学べる内容が限定的であることから、卒業すべきタイミングがあるものだと思います。
私は2ヶ月目で大方の修正パターンが出尽くしたと感じたので3ヶ月で退会することを決めました。一般的なオンライン英会話と比べても月2万円超の投資は高額です。同じ金額を投資するのであれば別の教材の方が良いと考えました。
今回学んでみて感じたのは、次はネイティブ英語に多く触れるべきだということです。
これらのことを踏まえて次は「村上式シンプル英語勉強法」を試してみようと思います。
この本の著者の村上さんは英語資格試験の講師ではありません。元米グーグル副社長兼日本法人社長を経験された方です。30歳の時に外資系企業に転職し、初めて英語が必要になり、膨大な単語を学んだり、英語を原書で読んだり、毎日1時間以上のリスニングをしたことで英語を習得した経験を使える英語の習得方法として出版されています。
「英語は語学ではなく語力、筋トレに近い感覚」などの言葉で感覚を表現するとともに、4技能について非常に明快な学び方を示しています。「使える英語」を身に付けたい方はぜひ手に取ってみてください。
次はこの方法を試してネイティブスピードの英語攻略を目指そうと思います。
繰り返しになりますがシャドテンはプログリットが開発した素晴らしいシャドーイング教材です。「シャドーイングをしているがイマイチ上達している感じがしない」「ネイティブ英語を聞けるようになりたい」と思う方には自信を持っておすすめします1週間のトライアルもあるのでぜひ試してみてくださいね。
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